2012/05/08
2011年を順当に振り返ってみる [後編]
秋以降の生活への答えを出してからは準備に追われる日々が続いた。
着実に迫りつつもリアリティの無い未来に、どこか浮き足立っていた。
もうしばらくはケンカも出来ないからいろんな知り合いに会っておこうと
無理やりなスケジュールを立てたら、夏だというのに肺に穴が空いてしまった。
会社のご好意で1ヶ月遅らせて頂いた出国の日もやってきて、肺に気遣った船旅が始まった。
遣唐使さながら2日間船に揺られて、とうとう異国、上海への上陸を果たした9月11日。
上陸初日、岩井俊二のスワロウテイルを観て、田子坊や中華系クラブなどに連れて行って頂き、
早くもその国の楽しさに溺れた。
翌日にはAKIRAを観た。その後乗ったタクシーの車窓から見える景色はAKIRAとTRONを足したような光景で、
正直中国にどこかまだ途上国的イメージを抱いていたので、それなりの衝撃があった。
入国して1週間と少し経った頃、住む家を決めた。
初海外初就職初一人暮らしは、初のルームシェアになった。同じ会社の中国人スタッフと。
知り合いは社内の人間しか居ない場所。
学校のクラスメイトのように、社内の人と休日も一緒に行動。
年齢や国籍の入り混じった休日は楽しい。
入国後すぐに迎えた国慶節を利用し、朱家角にも行った。
仕事も、 PM(プロジェクトマネージャー)という立場でありながら、映像編集やプランニングも
させて貰え、何でも体験したい身としては、とてもいい環境に感じた。
日々が忙しくなってくると、生活もルーチン化し、国から感じる刺激も減少。
異国にいるという感覚は、何時の間にかなくなっていた。
旧正月という日本と違う暦をベースにした年末年始のリズムで動く社会に、
久しぶりの異国感を感じながら、2011年は外灘18号のクラブのベランダから、東方明珠の向こうへ消えた。
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